職業適性「自分に合った仕事」の見つけ方

はたらく系

就労の相談をお受けする中で「今の仕事は自分に合わない」「自分に合った仕事を探している」とよく言われます。

では、ご自分のどんな部分に合ったお仕事を探していらっしゃるのかを尋ねると「それがわからないんです」と、なかなか言葉にはしづらいものがあるようです。

今日は、職業適性検査がWEBサイト上でお手軽にできる方法をご紹介しますので、これから職業選択をするという方は是非活用してみてください。

仕事場で過ごす人生時間

この国で生きていく上でお金は必要ですね。サラリーマン大国と言われる日本ですが、国の発表資料によると、2022年の就業者数は2022 年平均で 6723 万人、うち雇用者は6041万人です。(「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」総務省統計局より)

つまり、仕事をしている方の89.9%もの方が雇用により給与でお金を得ているということになります。色々な雇われ方がありますので一概には言えませんが、もしフルタイム労働ならば週40時間、単純に計算しても1週間168時間のうち23.8%は仕事をしているわけです。

通勤や休憩時間も入れれば実に1週間の人生時間の3分の1以上を費やす仕事関連の時間

仕事時間に充てている割合からしても、仕事時間の充実度が結果として人生の満足度につながっていくという考え方にも納得がいきますね。

充実した仕事時間のための仕事選び

人生の充実度に繋がっていくのであれば、しっかりと検討したいところですが、仕事選びをする時、自分が何に重きを置いているのか知っていますか?

福利厚生や給与、通勤距離、退職金の有無…etc  どれも大事な事ではありますが、諸条件以前に自分がそこで仕事をする上ではもっと重視して欲しいことがあります。

それは「人と職業のマッチング」という視点です。

人にタイプや性格があるように、職業上求められる能力もそれぞれ違いがあります。

その個人が持つ興味関心や価値観、能力などと、その仕事上求められているそれの一致度が高ければ高いほど、やりがいを持ちながら働けたり、能力が発揮できたり、職場で求められる人物になれたりと、つまりは、満足度を高めながら活躍できる可能性が高まるであろうということはわかります。

では、人と職業のマッチングをどのように進めるのか?について見ていきましょう。

①自己理解(自己分析)

自分の事はなんにも知らずに~♪他人のことはなんでも知ってる~♪

日本のアーティストBUCK-TICKの『EMPTY GIRL』の1フレーズなのですが、まさにこの通り!

生まれてから片時も離れようもなく共に歩んできた自分のことですが案外知らないことだらけです。

何をするにも、まずは自分を知ることが始めの一歩。

職業選択においても、例外なく自分と向き合い、何が好き?どんな部分が好き?を自覚し、その興味・関心が満たせる職業は何か?という視点を大切にしたいものです。

なぜ、自分の興味や関心が大切かといえば、仕事に取り組むうえで「困難」や「失敗」は必ず付いてきます。その時に乗り越えようと取り組めるか、どうしたらよいのかと自ら学ぼうとできるか否かの大きな分かれ道として「興味があるorない」の要素の影響は大きいと言わざるをえないからです。

仕事も人も同じ。興味があるか無いかによって関わり方が変わってきますよね。

全く関心の持てないことに「もっと一生懸命やれ!」と言われてもなかなか難しいし、なんだったら自分の事を棚に上げて注意・指導してきた人に腹を立てることもあるかもしれません。それでは仕事の嫌な面が強くなる一方です。

「就けた仕事を一生懸命やるのが当たり前」という時代では、マッチングも自己分析もあったもんじゃなかったかもしれませんが、自分なりの有意義な日々を過ごすためにも、まずは自分の内なる欲求と向き合うことをはじめの一歩としてみましょう。

②仕事理解(職業・職務分析)

業種や、職種により求められる性質や発揮できる能力に違いはありますが、「思っていた事と違う」「こんなことがやりたかった訳ではない」など、実際に仕事に就いて初めて知る事も少なくはありません。だからこそ、事前に調べられる事は調べておきましょうという事です。

数字が苦手な方に、経理的なお仕事は苦痛でしょうし、決められた事をきっちりこなす事が得意な方に新しいアイデアをひねり出すことや企画的なことを求められてもナカナカ出てこない。

①の自己分析で自分の傾向を知ったならば、どんな職種が自分が頑張れそうか?この仕事は何をするのだろうか?と、仕事そのものへの理解を深め、自分の職業満足度を考えてみてください。

とは言え、あまり頭でっかちになってはいけません。6割くらいは興味が持て、やってみたいと思えるならばまずはやってみて、不足するスキルは後から足していけばいいのです。

③理論的推論(①②をマッチング)

単純に言えば、①で見た自分の特性と②で調べた仕事の特徴の輪が重なり合う領域にあるのが「自身にとって最も適した仕事」となるわけです。

そこで、目指す職種の仮決定ができれば、次に諸条件や企業風土等を更に見て、どこの企業でそれを行うのか?と具体的に求人を探していくという流れを辿っていく事が人と職業のマッチングです。

1日も早い就業を希望している方にとっては、①~③のステップを辿るのは理想論かもしれません。

それでも、実際に働くのは自分です。一度しっかりと自分が求めていることを企業名や雇用条件だけでなく、職務ベースで考えてみてください。

新卒採用など初職においては、職務内容を調べたところであくまでも想像でしかなく、具体的なイメージが湧きづらいとは思われますが、大きな方向性として自分を知り、エントリーする職種と自分との関連性を自分なりに言語化できれば面接対策にもつながります。

では、①~③は具体的にどうしたらいいの?ということについて次に厚生労働省が運営するWEBサイトをご紹介します!

職業情報提供サイト(日本版O-NET) 愛称:job-tag

厚生労働省の運営で『職業について、内容、就労する方法、求められる知識・スキルや、どのような人が向いているかなどが総合的にわかるサイト』が開設されました。2020年3月19日のスタートです。

これまでも民間企業が提供している職業情報サイトはあちこちに沢山ありましたが、国としてトータル的に職業情報提供がされ始めたのはほんの数年前なんですね。

このサイトでは、自分の「興味」「価値観」「能力」面からの適職検査が実施できます。所要時間もそれぞれ10分もあればできますし、民間企業のように会員登録をせねば結果が見れないなどということはありません。(閲覧のみでなく、結果を受け取りたい時はメールアドレスを入力し自身で保存します)

他にも、職業名から職務内容の紹介(動画があるものもあります)、その仕事で求められるスキルの説明もあり、自身の適職検査の結果からマッチング度合いを見る事もできます。

スタート以降も色々な機能が追加されており、今後も更なる充実を期待しているところですが、職業選択の段階で自分とのマッチングを見る事、将来に向けて理解を深める事と自分の求める使い方をしてみてください。

職業情報提供サイト(日本版O-NET)/厚生労働省

まとめ

日々の多くを占める、仕事時間だからこそ仕事に就くその前にリサーチや検討はしっかりと行いたいものですね。

現実的に考えると、ついつい「今できること」から仕事を探してしまいがちですが、状況が許すならば職業選択の際には是非ご自分の興味・関心と一度向き合っていただきたいと思っています。

「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、誰しも自分が関心のあることへ向けるパワーは強いものですし、現時点では足らないスキルなどは後から習得すればよいのです。

すべては自分の人生時間を充実させていくための準備ですね。

おまけ

昔話ですが、私は自分が人見知りだと思い込んでおり、だから人と話さざるを得ない営業のお仕事はムリと決めつけていたのですが、それを営業職の友人に言ったら「話せりゃいいって仕事じゃないし、あなたは絶対に人見知りではない!なんなら営業に向いていると思うけど?」と笑いながらばっさりと否定されました。え?そうなの?いやいや、でも・・・・・。と話は続いたのですが、自分の頭だけで考えていると自信の無さや妙な思い込みで偏った考え方をしてしまうものですよね。

自分の評価は案外あてになりません。

私は自分の仕事全体を見た時に、半分以上はやりたいと思えることがやれているなら「これも込みで今の仕事」と思っています。今や転職は当たり前の時代ですが、他社へ移ったからといって嫌な仕事内容がゼロにはなりませんので、逃げの転職はせず、いかに職務満足度、日々の充実度を自分で上げていくかを工夫し考えていました。

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